DPAに資格は必要か?

その他

MSC-MEPC.7/Circ.6 とISMコードから実務的に解説

ISMコードにおける「指定代理人(Designated Person Ashore: DPA)」は、安全管理システム(SMS)の中核を担う重要な役割です。
しかし実務では、
・DPAに必要な資格は?
・船長経験は必須?
・MSC-MEPC.7/Circ.6は強制規則なのか?
といった疑問がよく挙がります。

本記事では、IMOサーキュラー MSC-MEPC.7/Circ.6 と ISMコードをベースに、DPAの資格・経験・審査上のポイントについて実務目線で整理します。

DPA(指定代理人)とは?

DPA(Designated Person Ashore)は、ISMコードに基づき会社が任命する陸上担当者です。
主な役割は、
・船舶と会社経営陣との連絡窓口
・SMS(Safety Management System)の監視
・安全・汚染防止に関する支援
・必要時の経営層への直接報告
などであり、ISM運用の実効性を確保する重要ポジションとなります。

MSC-MEPC.7/Circ.6とは?

MSC-MEPC.7/Circ.6 は、DPAに求められる資格、訓練および経験に関するIMOのガイドラインです。ただし、重要なポイントとして、このサーキュラーは「強制規則」ではありません。
つまり、
・ガイドライン(指針)
・非強制文書
・参考基準
という位置付けになります。

また、ISMコードそのものにおいても、「DPAが特定の資格や免状を保有しなければならない」という要求は存在していません。

MSC-MEPC.7/Circ.6 が示す望ましい資格

サーキュラーでは、DPAには最低限、以下のいずれかの教育的背景が望ましいとされています。

1. 関連分野の高等教育

行政当局または認定団体が認める高等教育機関において、
・経営
・工学
・物理科学
などの関連分野の資格を有すること。

2. STCW資格および乗船経験

改正STCW条約(1978年)に基づき認証された船舶職員として、
・有効な資格
・関連する乗船経験
を有すること。

3. 船舶管理における上級実務経験

上記に準ずる教育に加え、
・船舶管理業務における上級レベルの経験
・少なくとも3年以上
の実務経験を有すること。


実務上重要なのは「資格」より「能力」

ここが最も誤解されやすいポイントです。
確かにMSC-MEPC.7/Circ.6は非強制文書であり、ISMコードにも必須資格要件はありません。
しかし、だからといって「誰でも良い」という意味ではありません。
ISM審査では、会社のSMSが有効に機能していることを確認する必要があります。
そのため審査員(Auditor)は、
・DPAの知識
・経験
・管理能力
・SMS理解度
・関連する乗船経験
などを総合的に確認します。

つまり審査で見られるのは、「資格を持っているか」ではなく、「実際にSMSを有効に機能させられる能力があるか」です。

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